足が張って痛む…これって大丈夫?深部静脈血栓症の危険性と早期治療の重要性
「長時間座っていたら足が張って痛くなったけど、疲れのせいかな?」
「片方の足だけが張る感じがする、特に痛みもないし様子を見てみよう…」
そんな風に感じている方はいませんか?
これらの症状は深部静脈血栓症(DVT)の初期サインかもしれません。この病気は、足の深部にある静脈に血のかたまり(血栓)ができることで発症し、適切な治療を受けないと次のようなリスクがあります。
• 急性期には、血栓が肺に飛び命にかかわる肺塞栓症を引き起こすことがあります。
• 慢性期には、静脈弁不全によるむくみや色素沈着、治りにくい皮膚潰瘍が進行します。
この記事を読んで少しでも心当たりがある方は、早めにご相談ください!
病院に行くべき症状はこれ!
深部静脈血栓症は、早期に適切な治療を受けることで重大なリスクを回避できます。以下のような症状に気づいたら、迷わず専門医を受診しましょう。
1. 長時間座った後に急に足が張って痛くなった
o 飛行機や長距離バス、デスクワークなどで動かずに座り続けた後、足がむくみ、張りや痛みが出た場合はDVTの可能性があります。
2. 片側の足がむくんでいる、腫れている
o 足全体がパンパンに腫れる、または左右で明らかに大きさが異なる場合は注意が必要です。
3. 皮膚に色素沈着や治りにくい潰瘍がある
o 足首やふくらはぎに茶色い色素沈着が見られる場合や、潰瘍がなかなか治らない場合は、深部静脈血栓症による慢性期の症状が進行している可能性があります。
4. 足が重だるい、突っ張る感じが続く
o 特に足の深部に違和感や重だるさなどを感じる場合、血栓による血流障害が疑われます。
5. 呼吸が苦しい、胸が痛い(肺塞栓症の症状)
o 血栓が肺に飛んだ場合、命にかかわる状態になります。これらの症状を感じたら、すぐに救急車を呼んでください。
深部静脈血栓症とは?
深部静脈血栓症は、足の奥深くにある静脈に血栓ができる病気です。血栓が静脈を塞ぎ、血流が滞ることで、むくみや痛みなどの症状が現れます。
誰に起こりやすい?
- 長時間座った姿勢が続く場合(例: 飛行機や車での移動、デスクワーク)
- 入院や手術後の安静が必要な期間
- 妊娠・出産、または経口避妊薬の使用
- 肥満や高齢による血流の低下
- がん治療中の方や、抗がん剤治療を受けている方
放置するとどうなる?
DVTを放置すると、以下のような危険な状態に進行する可能性があります。
急性期:肺塞栓症(PE)
- 血栓が肺の動脈に飛ぶことで、呼吸困難、胸痛、失神を引き起こします。
- 肺塞栓症は迅速な治療を行わないと命にかかわる状態です。
慢性期:血栓後症候群(PTS)
- 血栓が残ることで静脈弁が破壊され、血液が逆流するようになります。
- 足のむくみやだるさ、色素沈着、皮膚炎が進行し、難治性の潰瘍に発展することがあります。
当院での検査と治療の流れ
1問診・診察
• 症状の有無や生活習慣、危険因子について詳しくお聞きします。
• 足のむくみや腫れを視診し、DVTの可能性を評価します。2検査
• Dダイマー検査: 血栓の分解産物を測定し、DVTの可能性を確認します。
• 超音波検査: 血栓の有無や静脈の血流状態を確認します。3治療計画
検査結果をもとに、患者様に最適な治療方法をご提案します。
当院で提供する治療
1. 抗凝固療法
o 血液を固まりにくくする薬(DOAC、ワルファリン)を使用し、血栓の拡大や新たな血栓の形成を防ぎます。
2. 圧迫療法
o 弾性ストッキングや弾性包帯を使用して足の血流を促進します。当院には弾性ストッキングコンダクターが複数名在籍しており、患者様の足に最適なフィッティングを提供します。
3. 潰瘍に対する再生医療
o 慢性期に潰瘍がある場合、PRP療法やエピフィックス療法を用いて治癒期間を短縮します。
安心して治療を受けられる環境
下北沢病院の下肢血管・創傷センターでは、DVTの診断から治療、再発予防までトータルサポートを行っています。
• 専門医、看護師、弾性ストッキングコンダクター、理学療法士が一丸となり、患者様の健康を支えます。
• 再発を防ぐための生活指導や予防策も徹底的にサポートします。
深部静脈血栓症は早めの診断が命を守る!
「足がむくんでいるだけ」と思わずに、早めにご相談ください。
DVTは早期に適切な治療を受けることで、重症化を防ぎ、日常生活を取り戻すことができます。
早期診断と治療で、安心の日々を取り戻しましょう!