下北沢駅徒歩5分。足から健康を支えていきます。
この度、私たちは「足」の悩みに対して総合的に対応すべく足病総合センターを開設しました。なぜなら足の障害は、骨関節、傷や壊疽、血流、むくみ、しびれ、爪や皮膚、靴のトラブル、全身疾患の一症状…などと多岐にわたり、これらをすべてカバーできる診療科がなかったからです。どこへ受診すればよいか悩むことも多く、また受診したとしても病院を転々とすることも、これまではあったはずです。また常に体重を支えている足は、特に病気がなくても痛みが続くことも少なくありません。このため痛みはあっても治療までには至らず、悩んでいる方も多く見受けられます。そうした方々に、迷わず気軽に受診していただき、総合的に診療させていただくのが当センターの特徴です。そのためにセンター内での診療には整形外科、形成外科、血管外科、内科、皮膚科が一緒になって診療にあたり、さらには看護師、理学療法士、義肢装具士、管理栄養士などのメディカルスタッフがあらゆる面から足のサポートを行えるよう、独自の体制を整えました。「病気」だけではなく受診される方の「悩み」に対しても向きあっていけるよう、開設されたのが当足病総合センターです。人生とともに歩んでいく足、その足に悩みを抱えたとき、まず下北沢病院にピットイン。そう思っていただけるよう努めてまいります。
健康のために万歩計をつけて、1日1万歩を目標に歩いている方も少なくないのではないでしょうか。もちろん歩くことは大切ですが、1日1万歩あるく方の足は1日1万回も地面にぶつかっている、という見方もできるのです。直立二足歩行により文化を築いている人類にとって、足は「歩行」ひいては「健康な暮らし」を支えるための器官と言えます。しかし、逆にいえばそれ故に常に負担を強いられ犠牲になっている器官ともいえます。足の弱点はまだ他にもあります。屋外活動においては「靴」という人工物と共同で機能を果たしている唯一の器官であること、また身体の末端かつ低位置にあるという構造的なデメリットなど、人間の足はさまざまな危険にさらされています。重力、外力、摩擦、湿気、菌、血流、末梢神経…。これらに起因する多彩な足の障害の多くは、単独ではなく複合的に生じていることも少なくありません。健康寿命ということが声高にさけばれる今、私たちは「足」についてより真剣に考える必要があるのではないでしょうか。
下肢・足病総合センター長 菊池恭太
足に対して総合的に診療することが出来るように、足病総合センター内には複数の部署や診療科のスタッフが混在しています。足に特化することで、独自で新しい外来診療の体制を整えることができました。当センターでは1人の患者さんに対して数人の医師やスタッフが関わることも珍しくありません。当センターを支えるスタッフをご紹介します。
整形外科、形成外科、血管外科、内科、皮膚科の医師がチームで診療します。そのため時に複数の医師による診療が行われることもあります。さまざまな領域の医師が側にいることは受診者にとっても医療チームにとっても心強いことであり、皆でより多くの可能性や選択肢について考えることができます。例えば、ふくらはぎの痛みで整形外科を受診された方が静脈異常と診断され、適切な生活指導を受けてお帰りいただく、といったケースも…。異なる科の医師がチームで診察に当たることで、一人ひとりに適切な医療を提供していきます。
受診される方の体的および精神的なケアを行いながら医師の介助も行うセンターの司令塔的存在です。当センターでは、足に関する総合的な評価をアセスメントシートに沿って行うことで、診療に必要な情報を漏れなく確認し、医師の診察につなげていきます。また、毎週水曜日午前のフットケア外来では、糖尿病療養指導士を中心とした看護師が、足を守るための予防法(足の観察のしかた、日常生活の指導等)や自分では困難な胼胝鶏眼、角質、爪などの処置を丁寧に行います。
通常のリハビリテーション業務はもちろんの事、足病総合センター外来にも理学療法士を常駐させることで、医師との連携が強化され、外来での機能評価・簡易運動指導が可能になりました。 症状によっては、処方による定期リハビリテーションも開始します。 なお、検査では異常がないといわれた痛みの中には、リハビリテーションにより速やかに改善するケースも多く見受けられます。
義肢装具士にも専門領域がある中、当センターでは特に足に精通した義肢装具士とチームを組みました。週3日も装具外来を行っていることは当センターにとって大きな意味があります。医師は足の病気を診ることができても、足と共存する人工物を診ることも作ることもできないからです。履物の影響を抜きにして足の悩みを解決することはできません。
栄養状態は足の慢性創傷の治癒に大きな影響をおよぼします。当センターの診療のメインのひとつに慢性創傷に対する治療があります。創傷治癒を栄養面からバックアップするのが管理栄養士です。過度な体重増加も、足に負担を与えることは言うまでもありません。そうした体重増加による足の痛みは、栄養指導により改善することもあります。
下肢閉塞性動脈硬化症とは、足の血管が動脈硬化により狭窄(血管が細くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして、血液の流れが悪くなり、足先まで栄養や酸素を十分に送ることができなくなる病気です。足の冷えやしびれに始まり、歩行時にふくらはぎが痛くなり(間歇性跛行)、さらに進行すると、なにもしていなくても足が痛み(安静時疼痛)、そして足に潰瘍や壊疽などが生じることもあります。糖尿病の方や透析を受けられている方においては、跛行症状を示さずに、安静時疼痛、潰瘍・壊疽で発症することもありますので注意が必要です。
治療は、保存的治療として薬物治療と運動療法、血行再建術治療として血管内治療と手術治療があります。血行再建術治療としては血管内治療(カテーテル治療)が第一選択となりますが、病変状態によっては手術治療(バイパス術)、血管内治療と手術治療を組み合わせた治療(ハイブリッド手術)が必要です。当院においても、病態やご本人のその他の状態を考慮して、適切な治療方法を選択、または組み合わせて治療を行います。
立った時に足の青い血管(静脈)がこぶ状に浮き出る病態を下肢静脈瘤といいます。静脈の弁が壊れて逆流することによって静脈の圧が高くなり、静脈が太く蛇行するようになります。足のふくらはぎがだるい・重い、むくみやこむら返り(つり)を繰り返すような方は下肢静脈瘤かもしれません。静脈瘤自体は生死にかかわるようなこともなく、下肢切断につながるようなこともありませんのでご安心ください。しかし、徐々に進行し症状が現れた場合には、弾性ストッキング着用による圧迫治療、注射による硬化療法、高位結紮術、血管内焼灼術(ラジオ波焼灼術)、静脈瘤抜去術(ストリッピング術)等が必要となる場合があります。専門医が適切な治療法を提示し、「希望されない方に」強引に手術をお勧めするようなことはありません。数日の入院治療、希望があれば日帰り治療にも対応します。
静脈血栓塞栓症とは、下肢深部静脈血栓症と肺塞栓症を合わせた総称です。下肢深部静脈血栓症とは、下肢の深部静脈に血栓(血液のかたまり)が形成される病気で、エコノミークラス症候群ともいわれています。長時間座るまたは寝ている、手術後など足の運動を行わない状態がつづくと、筋肉ポンプが機能しないため、静脈内で血液が停滞し、血栓ができてしまい発症します。そして、歩き始めた時に、その血栓が血液の流れに乗って肺の動脈(肺動脈)に運ばれ、そこを突然ふさいでしまう(肺塞栓)病態になると、呼吸苦が生じ、重症例では死亡することもあります。下肢深部静脈血栓症は、血液検査 (Dダイマー)と下肢静脈超音波検査により、受診当日に診断することが可能です。急性期においては、肺塞栓の危険性もあるため入院治療を要しますが、この後は薬物治療、弾性ストッキングの圧迫治療にて管理します。
体の中でもっともむくみが生じやすいのが下肢です。心臓から遠い位置にあり血液の流れが悪いこと、重力の関係で水分がたまりやすいことなどが原因で、心臓に戻っていくべき水分が戻らない状態をむくみ(浮腫)といいます。原因としては、長時間の立位や座位、運動不足、水分や塩分の取りすぎ、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症などによる静脈疾患、肝臓・心臓・心臓の臓器障害、甲状腺機能低下症、リンパ浮腫などがあります。血液検査、超音波検査(心エコー、腹部エコー、下肢静脈エコー)などの検査を施行することにより診断することができます。
午前
高岡 聡美(初診担当)菊池 恭太
菊池 恭太(初診担当)高岡 聡美
長崎 和仁(初診担当)富田 益臣(初診担当)
菊池 恭太(初診担当)
高田 研(初診担当)菊池 恭太※6
交代制予約センターにご確認ください
午後
富田 益臣岡部 大地
長崎 和仁※2富田 益臣※4
富田 益臣高田 研
長崎 和仁高岡 聡美
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※1)第2週 ※2)第1,3,5週 ※3)第2,4週 ※4)第1,3週 ※5)第4週 ※6)第2,3,4,5週
※初診担当医師は変更となる場合がございます。原則指名は承っておりませんので、予めご了承ください。
下北沢駅徒歩5分。足から人生を支える。